上級者用語を調べる
ウォレットの指紋とは
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
- 公開日
- 更新日
- 読了目安
- 4 分
結論
ウォレットごとに取引の作り方に癖があり、その癖から使用ソフトウェアを推定できます。これをウォレットのフィンガープリントと呼びます。ソフトウェアが分かると、おつりの位置や資金の所有関係を絞り込む手がかりになるため、プライバシーの議論では無視できない要素です。
要点
- 取引の作り方の癖から使用ソフトが推定できる
- 出力の並び順や手数料の刻みが手がかりになる
- ソフトが分かるとおつりの位置を絞り込める
- 少数派の設定ほど目立ちやすくなる
定義
取引の構成に現れる実装ごとの特徴から、送信に使われたウォレットソフトウェアや設定を推定すること。推定されたソフトの既定動作を前提に、さらに詳しい推測が積み上げられる。
手がかりは細部にあります。入力と出力をどう並べるか、手数料を何単位で刻むか、ロックタイムに現在のブロック高を入れるか、どのアドレス形式を出力に使うか、署名の形式は何か。これらは仕様で決まっているわけではないため、実装ごとに違いが出ます。
この違いは分析にとって有用です。たとえば、あるウォレットが常におつりを二番目の出力に置く実装だと分かれば、その特徴を持つ取引ではおつりの位置が特定できます。おつりが分かれば、そのアドレスは送信者のものだと判断でき、追跡の連鎖が続きます。
利用者の側で完全に消すのは難しい性質です。むしろ、珍しい設定や自作の手順ほど目立って一意になりやすい、という逆説があります。実務的には、指紋が存在すること自体を前提に、公開して問題ない情報の範囲を決めるほうが現実的な向き合い方になります。
注意点
- · 設定を珍しくすると、かえって特定されやすくなる場合がある
- · 複数のウォレットを混在させると、それ自体が特徴として残る
- · 指紋は推定であり、断定的に「この人のもの」と言えるものではない