法的な書面と鍵を分けて考える
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
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- 7 分
結論
遺言書などの法的な書面は、手続きの過程で本人以外の目に触れる可能性があります。鍵そのものを書面に書き込むと、その時点で資産が危険にさらされます。書面には「誰が承継するか」を、鍵には「どこにあり、どう開けるか」を、それぞれ別に設計してください。要件や書式は専門家にご相談ください。
要点
- 遺言書は検認などの手続きで、本人以外が内容を見る場面がある
- 書面には承継の意思を、鍵の情報は別経路で設計する
- 取引所の口座と自己管理ウォレットでは、必要な手続きが異なる
- 書式・要件・有効性の判断は専門家に委ねる
定義
相続に関わる法的な書面と、暗号資産の鍵の情報を、別々の仕組みとして設計するという考え方。
暗号資産の相続を考えるとき、多くの人が最初に思いつくのは「遺言書にシードフレーズを書いておく」という方法です。直感的には合理的に見えます。しかし、これは避けるべき設計です。理由は、法的な書面がたどる経路にあります。
遺言書は、死後に一定の手続きを経て内容が確認されます。その過程で、相続人や関係者が内容を目にする場面が生じます。また、書面は保管中に紛失したり、第三者の手に渡ったりする可能性もゼロではありません。シードフレーズは、見た人が誰であれ、その瞬間に資産を動かせてしまう情報です。本来、承継すべき人に渡るはずのものが、手続きの途中で誰かに持ち去られる可能性を、自分で作ることになります。
ですから設計は二層に分けます。法的な書面が担うのは「この暗号資産を誰に承継させるか」という意思の表明です。ここには資産の存在と、承継先を書きます。もう一方の鍵については、「どこに保管されていて、どうすれば開けられるか」という道筋を、書面とは別の仕組みで用意します。この二つが組み合わさって初めて、承継が実際に成立します。
扱いが異なる点も押さえておいてください。取引所に預けている資産は、事業者に対する請求権として整理されることが多く、事業者所定の相続手続きを踏むことになります。必要書類や手順は事業者ごとに違います。一方、自己管理ウォレットの資産は、鍵にたどり着けるかどうかがすべてです。同じ「暗号資産の相続」でも、この二つはまったく別の作業になります。
そして、ここから先は専門家の領域です。どういう形式の書面が有効か、保管をどうするか、複数の相続人がいる場合にどう配分するか、税務上どう評価されるか。これらはいずれも法律と制度で定められており、改正もあります。当サイトでは具体的な書式や要件を断定しません。金額が大きくなりやすく、やり直しが利かない領域ですので、相続と暗号資産の双方に知見のある弁護士・税理士・司法書士にご相談ください。
注意点
- · 遺言書などの法的書面に、シードフレーズや秘密鍵を書き込まないでください
- · 本記事は法的助言ではありません。書式・要件・有効性は必ず専門家にご確認ください
- · 取引所の相続手続きは事業者ごとに異なります。各社の案内をご確認ください
よくある質問
鍵の情報はどのように承継させればよいですか?
保管場所と開け方をどの仕組みで伝えるかは、家族構成や資産の規模によって適切な設計が変わります。一般論で決められる問題ではないため、相続に詳しい弁護士などの専門家と一緒に設計してください。