スリッページを抑える注文の出し方
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
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結論
スリッページは、注文したときの想定価格と実際の約定価格がずれることです。抑える基本は、成行を避けて指値を使うこと、注文を分割すること、板が薄い銘柄や時間帯を避けること、そしてスリッページ許容範囲の設定がある場合はそれを使うことです。完全に避けることはできません。
要点
- 成行注文は板の状況次第で想定より不利な価格で約定する
- 指値を使えば約定価格は自分で決められるが、約定しないことがある
- 大きな数量は分割して出すと、板を一気に食い潰さずに済む
- スリッページ許容範囲を設定できる場面では、上限を明示しておく
定義
注文を出した時点で想定していた価格と、実際に約定した価格との差のこと。板の厚みが足りない場合や、価格が動いている最中に起こります。
起きる仕組みを理解すると対策が決まります。成行注文は、板に並んでいる反対側の注文と、価格の良い順に突き合わせて成立します。自分の数量が最良気配の数量より大きければ、次の価格帯、その次の価格帯へと約定が進み、平均の約定価格は最初に見た価格より不利になります。加えて、注文を出してから処理されるまでのわずかな時間に価格が動くことでもずれが生じます。
最も基本的な対策は、成行の代わりに指値を使うことです。指値であれば、その価格より不利な約定は起こりません。代わりに、市場が指定価格まで来なければ約定しないというトレードオフを受け入れることになります。「必ず今すぐ約定させたい」場面でなければ、指値を既定の選択肢にしておくと、想定外の価格を掴む事故はほぼ無くなります。
数量が大きい場合は、分割が効きます。一度に全量を出すと板の複数の価格帯を一気に消費してしまうため、数回に分けて出し、板が回復するのを待ちながら執行するほうが平均価格は安定しやすくなります。分割の粒度に決まった正解はありませんが、自分の注文数量と最良気配の数量を見比べて、明らかに自分のほうが大きいなら分ける、という判断は有効です。板の見方は「板情報」「板の厚み」で扱っています。
銘柄と時間帯の選択も対策のうちです。取引が少ない銘柄、取引が少ない時間帯、重要な発表の直後などは、板が薄くなりスリッページが大きくなりがちです。急いでいないのであれば、板が厚い時間帯に執行するほうが有利になりやすいという一般論は成り立ちます。ただし具体的にいつ・どの銘柄がそうなるかは状況次第なので、自分で観測してください。
DEXでの交換や一部の取引画面には、スリッページ許容範囲(許容できるずれの上限)を設定する項目があります。これを広く取ると約定しやすくなる代わりに不利な価格を受け入れることになり、狭く取ると想定外の価格は防げる代わりに取引が失敗しやすくなります。とくにDEXでは、許容範囲を広く設定した取引を狙う攻撃(サンドイッチ攻撃)が知られているため、必要最小限にとどめてください。関連する説明は「スリッページ」「MEV」「DEXでの交換手順」にあります。
注意点
- · スリッページを完全に無くすことはできません。指値を使っても、約定しないという別の結果を受け入れることになります
- · DEXでスリッページ許容範囲を大きく設定すると、サンドイッチ攻撃で不利な価格を掴まされる危険が高まります
- · この記事は執行方法の説明であり、売買の判断や特定銘柄の推奨を行うものではありません
よくある質問
少額の取引でもスリッページは起きますか?
起こりえます。金額が小さくても、板が極端に薄い銘柄や、価格が急変している最中であればずれます。ただし、板の厚い主要銘柄の少額取引では影響が小さいのが一般的です。