送金先を間違えたとき
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
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結論
先に厳しい事実を書きます。ブロックチェーン上の送金は取り消せません。間違ったアドレスに送った資産は、受け取った相手が自発的に返さない限り戻らないのが原則です。それでも、宛先が誰の管理下かによって可能性はわずかに変わるため、まず宛先の種類を確認し、該当するなら公式窓口に相談します。同時に、この状況に付け込む詐欺から身を守ってください。
要点
- 送金の取り消し機能はブロックチェーンに存在しない
- 宛先が取引所の管理アドレスなら、事業者に相談する余地はある(保証はない)
- 個人のウォレットに送った場合、相手の善意以外に回収手段はない
- 「送金を取り戻します」と言う業者・個人は例外なく詐欺
定義
意図した宛先とは異なるアドレスへ暗号資産を送信してしまった状態のこと。承認が完了した時点で、送金者の側から取り消す手段はありません。
まず状況を正確に把握します。送金元の履歴からトランザクションIDを控え、ブロックエクスプローラーで実際に送られた宛先アドレスと数量、承認状況を確認してください。ごくまれに、未承認のまま止まっている場合があります。その場合でも取り消せるとは限りませんが、状況が変わる可能性はゼロではないので、まず現状を見ます。すでに承認済みなら、その送金は確定しています。
次に、宛先が何であるかを調べます。エクスプローラー上でそのアドレスに大量の入出金があり、取引所のものとしてラベル付けされている場合は、どこかの事業者が管理しているアドレスである可能性があります。この場合に限り、その事業者の公式サポートに事情を説明して相談する余地があります。ただし、対応するかどうかは事業者の判断で、手数料が必要な場合や、そもそも対応していないと明示している場合も多くあります。応じてもらえる前提で考えないでください。
宛先が個人のウォレットだった場合、技術的な回収手段はありません。相手が誰か分からず、分かったとしても返す義務を負わせる仕組みがブロックチェーン上には存在しないためです。相手の連絡先が判明していて返還に応じてもらえるなら別ですが、それは幸運な例外です。金額が大きい場合は、記録を整理したうえで、警察のサイバー犯罪相談窓口や弁護士など、現実の法的な手続きを扱う相手に相談するのが筋道です。
ここからが最も重要です。誤送金の直後は、詐欺の標的として最も狙われやすい時期です。SNSに状況を書くと、「ブロックチェーン復旧の専門家」「ハッカーだが資金を追跡できる」「手数料さえ払えば取り戻す」と名乗る相手が必ず接触してきます。これらは100%詐欺です。技術的にできないことを、できると言っているからです。前払い金を取られる、あるいはシードフレーズを聞き出されて残った資産まで失う、という二次被害が典型です。
最後に、同じことを繰り返さないための手当てをします。アドレスは手入力せず必ずコピーして貼り付け、貼り付けた後に先頭と末尾の数文字を目で照合する。初めて送る宛先には、まず最小額でテスト送金する。よく使う宛先はアドレス帳に登録する。出金先ホワイトリストが使えるなら有効にする。これらは「送金アドレスの確認方法」「出金アドレスホワイトリスト」で具体的に扱っています。
注意点
- · 「誤送金を取り戻す」「資金追跡で回収する」と称する業者・個人はすべて詐欺です。前払い金を要求され、さらにシードフレーズを聞き出されて残りも失う例が典型です
- · SNSやコメント欄に誤送金の事実を書き込まないでください。書いた瞬間に詐欺アカウントが集まります
- · 取引所に相談できるのは宛先がその事業者の管理アドレスである場合に限られ、対応は義務ではありません。戻る前提で行動しないでください
よくある質問
アドレスの1文字だけ間違えました。それでも戻りませんか?
多くのネットワークにはチェックサムがあり、形式として成立しないアドレスへの送金はそもそも実行されません。つまり送金が成立したということは、実在する有効なアドレスに届いたということです。1文字違いでも、そこは全くの別人のアドレスです。