資金の流れを追跡する
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
- 公開日
- 更新日
- 読了目安
- 6 分
結論
ブロックエクスプローラーでは、ある取引の送金先アドレスを開き、そこからの送金をさらにたどることで、資金がどこへ移ったかを段階的に追えます。被害に遭ったときの状況把握や、プロジェクトの資金移動の確認に使えます。ただし追跡できるのはアドレス間の移動までで、誰が操作したかは分かりません。
要点
- 起点のトランザクションハッシュを確定し、1段ずつ送金先をたどる
- 取引所の預かりアドレスに入ると、その先は公開情報では追えない
- ブリッジを経由すると別チェーンに移る。追跡先のエクスプローラーが変わる
- アドレスの動きは分かるが、操作者の身元は公開情報からは分からない
定義
ある取引を起点に、送金先アドレスとその後の送金を順にたどって、資金がどこへ移動したかをブロックチェーンの記録から確認する作業のこと。
最初に決めるのは起点です。取引所の出金履歴やウォレットの取引詳細からトランザクションハッシュを取り、そのチェーンのエクスプローラーで開きます。ハッシュが分からない場合は、自分のアドレスの履歴から日時と金額で該当する取引を探します。ここを曖昧にしたまま進むと、無関係な資金の流れを追うことになります。
起点の取引ページで、送金先アドレスを確認します。そのアドレスを開くと、受け取ってからの送金履歴が並びます。追うのは、金額と時刻が近いものです。受け取った直後にほぼ同額が別のアドレスへ出ていれば、それが次の一段である可能性が高くなります。ただし複数の入出金が混ざるアドレスでは、どの資金がどれに対応するかは一意に決まりません。ここは推測が入る部分だと自覚してください。
たどっていくと、いくつかの行き止まりに当たります。ひとつは取引所の預かりアドレスです。多数の利用者の資金がまとめられているため、公開情報からその先を追うことはできません。ひとつはブリッジで、資金は別チェーンへ移り、追跡はそのチェーンのエクスプローラーに移ります。ひとつはミキシングや多数への分割で、対応関係が実質的に失われます。
分析サイトの中には、この経路を図として表示するものがあります。手作業より速く全体像を掴めますが、表示されるラベルや経路の推定はその提供元の判断であり、確定した事実とは限りません。図で当たりを付けて、重要な部分はエクスプローラーの取引ページで自分で裏を取る、という使い方が現実的です。
最後に、この作業で何ができないかを明確にしておきます。追跡は資産を取り戻す手段ではありません。アドレスの持ち主を特定する手段でもありません。被害に遭った場合にできるのは、事実関係を整理して記録し、取引先の事業者や当局の窓口に提出できる形にまとめることです。自力で相手に接触しようとする行為は、二次被害を招きます。
注意点
- · 追跡の結果をもとに相手へ接触しようとしないでください。回収を持ちかける二次詐欺の入口になります
- · 分析サイトのラベルや経路推定は、提供元の判断です。断定の根拠にしないでください
- · 自分のアドレスを公開すると、残高と全履歴が誰にでも見られます
よくある質問
追跡すれば盗まれた資産は戻りますか?
追跡そのものに回収の効果はありません。資金が登録された事業者へ入った場合に、当局や事業者の手続きを通じて対応が取られる可能性はありますが、利用者が自力でできることではありません。記録を整えて正規の窓口に相談するのが現実的な順序です。