被害に遭ったときの初動
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
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結論
順序を決めておいてください。残った資産の退避、承認の取り消し、取引所への連絡、証拠の保全。この順です。すべてを取り戻せるとは限りませんが、被害の拡大を止めることはできます。焦って「復旧します」という相手に連絡しないでください。
要点
- 最優先は、まだ残っている資産を安全な新しいウォレットへ移すこと
- 次に、侵害されたウォレットの承認を取り消し、追加の流出を止める
- 取引所の口座が絡むなら、出金停止・口座凍結を依頼する
- 取引ハッシュ・時刻・相手アドレス・やり取りの記録を保全しておく
定義
ウォレットや口座の侵害に気づいたときに、被害の拡大を止め、記録を残すために実行する一連の初期対応。
最初に決めておくべきは順序です。被害に気づいた直後は判断力が落ちるため、その場で考えるのではなく、決めてあった手順をなぞる形にしてください。順序は、資産の退避、承認の取り消し、取引所への連絡、証拠の保全です。原因の究明や犯人の特定は、この四つを終えてからで構いません。
第一に、資産の退避です。侵害されたウォレットに残高が残っているなら、新しく作ったウォレット(別の端末・別のシードフレーズ)へ直ちに移します。ここで重要なのは、既存のウォレットに「パスワードを変える」「アプリを入れ直す」といった対処をしても無意味だという点です。シードフレーズや秘密鍵が漏れている場合、攻撃者は同じ鍵で資産を動かせます。ステーキングやロックで即座に動かせない資産がある場合は、動かせるものから順に移してください。攻撃者が自動化した監視を仕掛けていると、入金した瞬間に抜かれることがあるため、ガス代を送って救出する操作は慎重に判断します。
第二に、承認の取り消しです。承認詐欺による被害の場合、資産を移しても、そのアドレスに新しく入ってきた分が再び抜かれます。承認管理ツールで有効な承認を一覧し、攻撃者のコントラクトに対するものを取り消してください。第三に、取引所です。口座への不正アクセスや、取引所から不正な出金が行われた疑いがあるなら、ブックマークから公式サイトへ入り、出金停止・口座凍結を依頼します。盗まれた資産が取引所に流入した場合、事業者側で凍結される可能性があるため、取引ハッシュを添えて速やかに連絡することに意味があります。
第四に、証拠の保全です。被害に関わる取引ハッシュ、日時、送金先アドレス、被害額、相手とのやり取り(メール・DM・サイトのURL)のスクリーンショットを、時系列で一つのファイルにまとめてください。これは取引所への申告、当局への相談、税務上の扱いを整理する際にすべて必要になります。記録は時間が経つほど失われます。落ち着いてからではなく、初動の一部として残してください。なお、暗号資産の被害は、必ず取り戻せるものではありません。この現実を踏まえたうえで、次の被害を防ぐ側に力を向けてください。
注意点
- · 「必ず取り戻せる」と持ちかける個人・業者は、二次被害を狙う詐欺です
- · 侵害されたウォレットに資産を戻さないでください。承認や鍵の漏洩が残っている可能性があります
- · パスワード変更やアプリの再インストールでは、漏れたシードフレーズの問題は解決しません
よくある質問
盗まれた資産の追跡を自分でやる意味はありますか?
ブロックチェーンエクスプローラで送金先を追うこと自体は可能で、取引所に流入した時点を特定できれば申告の材料になります。ただし、追跡した先に直接接触しないでください。交渉を持ちかけられる形で二次被害に遭う例があります。追跡結果は、取引所や当局への相談材料として使ってください。