NFTの売買と課税の考え方
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
- 公開日
- 更新日
- 読了目安
- 7 分
結論
NFTの売買で利益が出た場合、その所得がどの区分になるかは、何をどのような立場で取引したかによって変わります。自分で制作して販売した場合と、購入したものを転売した場合では見方が異なりえます。また、決済に暗号資産を使うと、その暗号資産についても損益が生じる点を見落とさないでください。取扱いは国税庁の案内を確認し、税理士にご相談ください。
要点
- 所得区分は取引の実態によって変わり、一律に決まらない
- 暗号資産で決済した場合、その暗号資産にも損益が生じる(二重に発生する)
- ガス代や販売手数料の扱いは、経費として考える余地と個別判断がある
- 制作者が受け取る二次流通のロイヤリティは、転売益とは別の性格を持つ
定義
ブロックチェーン上で個別性を持つトークン(NFT)を売買・制作販売したときに生じる所得と、その課税関係のこと。
NFTの税務でまず整理すべきなのは、自分がどの立場で関わっているかです。自分で制作した作品を販売する場合、購入したNFTを転売する場合、ゲーム内のアイテムとして取得したものを売る場合では、所得の性格が異なりえます。所得区分が変わると計算の仕方も変わるため、ここを曖昧にしたまま進めると後から組み直すことになります。
次に見落とされやすいのが、決済に使った暗号資産です。イーサリアムでNFTを買うと、NFTを取得したという出来事と、支払いに充てたイーサリアムを手放したという出来事の両方が起きます。後者については、そのイーサリアムの取得価額と支払時の価額の差が損益になります。NFT側だけを記録して暗号資産側を忘れると、集計が合わなくなります。
経費についても考える必要があります。取得時のガス代、マーケットプレイスの販売手数料、ミント時の費用などは、その取引に直接ひもづく支出です。何を取得価額に含め、何を経費とするかは整理の仕方があり、個別の事情にも左右されます。少なくとも、支払った内容と金額がわかる記録は残しておいてください。
制作者側には、二次流通のロイヤリティという論点もあります。自分の作品が転売されるたびに一定割合が入ってくる設計の場合、その受け取りは自分が何かを手放したことによる利益ではなく、継続的に発生する収入としての性格を持ちます。これも所得区分の判断に関わる部分です。
NFTは取引の場も形式も多様で、税務上の整理がすべて確立しているとは言い難い領域です。取引量が多い場合、制作販売として継続的に行っている場合、海外のマーケットプレイスを使っている場合は、早い段階で税理士に相談してください。
注意点
- · 当サイトの記載は一般的な整理であり、税務アドバイスではありません
- · 所得区分は実態で判断されます。制作販売か転売かで結論が変わりえます
- · 暗号資産で決済した分の損益を忘れないでください。最新の取扱いは国税庁の案内でご確認ください
よくある質問
NFTを買っただけで売っていない場合も記録は必要ですか?
必要です。支払いに暗号資産を使っていれば、その時点で暗号資産側の損益が生じています。また、将来売却するときの取得価額を説明するためにも購入時の記録が要ります。詳しい扱いは税理士にご確認ください。