オフラインで保管するもの・しないもの
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
- 公開日
- 更新日
- 読了目安
- 6 分
結論
オフライン保管は、ネットワーク越しに盗まれないことと引き換えに、物理的な紛失や災害のリスクを引き受ける方法です。シードフレーズのような鍵はオフラインに限定し、取引記録のように頻繁に参照するものはオンラインの利便性を使い分けてください。
要点
- シードフレーズ・秘密鍵は紙や金属板などオフラインの媒体に限定する
- 写真・クラウド・メール・パスワード管理アプリに鍵を入れない
- オフラインは火災・水害・紛失に弱い。場所を分けて複数持つ
- 取引記録は参照頻度が高い。オフライン限定にする必要はない
定義
ネットワークに接続されていない媒体(紙・金属板・オフラインの記録媒体)で情報を保管すること。遠隔からの侵入を受けない代わりに、物理的なリスクを負います。
オフライン保管の利点は単純です。ネットワークにつながっていないものは、遠隔から盗めません。クラウドアカウントが侵害されても、端末がマルウェアに感染しても、机の引き出しの中の紙には手が届きません。暗号資産の鍵がオフラインで保管されるべき理由は、この一点に尽きます。
したがって、シードフレーズと秘密鍵はオフラインの媒体に限定してください。紙に手書きするか、耐火・耐水を考えるなら金属板に刻む方法があります。避けるべきは、スマートフォンでの撮影、クラウドストレージへの保存、自分宛てのメール、そしてパスワード管理アプリへの入力です。いずれも便利ですが、どれもネットワーク越しに到達しうる場所であり、鍵を置く前提の設計になっていません。
一方で、オフラインには固有の弱点があります。火災で燃える、水害で読めなくなる、引っ越しで紛失する、そして本人以外には何の紙か分からないまま捨てられる。これに対処するには、同じ内容を複数の場所に分けて保管するのが基本です。自宅と実家、自宅と貸金庫といった組み合わせで、一度の事故で全部を失わないようにします。
では何をオフラインにしないか。取引履歴のCSV、ウォレットの一覧、送金先のアドレス帳。これらは参照する頻度が高く、更新もされます。紙だけで運用すると、更新が追いつかず古い情報が残ります。こうした記録はオンラインの利便性を使い、必要なら暗号化して守る。オフラインに置くべきものと、そうでないものを分ける発想が実務では効きます。
判断の基準は「それ単体で資産を動かせるか」です。動かせるもの(鍵)はオフライン限定。動かせないもの(記録)は利便性を優先してよい。この一本の線で、ほとんどの迷いは解けます。
注意点
- · シードフレーズの写真撮影・クラウド保存・メール送信・パスワード管理アプリへの保存は避けてください
- · 紙の保管は火災・水害・紛失に弱いため、場所を分けた複数保管を前提にしてください
- · オフライン媒体は、内容が分からない紙として処分されることがあります。保管場所を家族に伝える設計が要ります
よくある質問
金属板は必要ですか?紙ではだめですか?
紙でも保管方法を工夫すれば機能します。金属板は火災や水濡れに強い点が利点で、長期保有で保管環境に不安がある場合に検討されます。どちらにせよ複数の場所に分けることのほうが重要です。