スワップ前の流動性確認
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
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結論
DEXでは、プールに入っている資金量に対して取引数量が大きいほど、受け取れる数量は不利になります。買えたとしても、同じ数量を売り戻せるとは限りません。スワップの前に、プールの規模・取引の厚み・自分の数量が価格に与える影響を確認する手順を固定してください。
要点
- 流動性が薄いプールでは、少額でも価格が大きく動き、往復で目減りする
- プライスインパクトの表示は、自分の数量がその場の価格をどれだけ動かすかを示す
- ロックされた資金量(TVL)の大きさは、安全性や価値の証明ではない
- 買えることと売れることは別問題。売却経路の有無も確認する
定義
スワップを実行する前に、対象のトークンが取引される流動性プールの規模と取引の厚みを調べ、自分の数量がどの程度不利な価格を招くかを見積もる作業のこと。
仕組みから確認します。AMM方式のDEXでは、プールに預けられた2種類のトークンの比率で価格が決まります。あなたが一方を入れて他方を取り出すと比率が変わり、その変化がそのまま価格の変化になります。プールが大きければ比率の変化は小さく、プールが小さければ同じ数量でも比率が大きく動きます。これが「流動性が薄いと不利になる」の中身です。
確認の起点は、スワップ画面に表示される数字です。一般的には、受け取れる見込み数量とあわせて、価格への影響(プライスインパクト)が示されます。この数字が大きいときは、プールに対して数量が大きすぎるという合図です。数量を減らして表示がどう変わるかを見ると、どの規模までなら許容できるかが分かります。
次に、プールそのものを見ます。分析サイトやDEX上のプール一覧では、預けられている資金量と、一定期間の取引高が確認できます。資金量が大きくても取引高がほとんど無いプールは、実際に売買している人がいないことを意味します。逆に、資金量に対して取引高が極端に大きい場合、実態のない往復取引で数字が作られている可能性もあります。片方の数字だけで判断しないでください。
見落としやすいのが、出口の確認です。買うときの経路があっても、売るときに同じ経路が機能するとは限りません。流動性を提供している側がいつでも資金を引き上げられる以上、プールは短時間で消えることがあります。発行者やごく少数のアドレスが流動性の大半を握っている場合、その資金が抜かれた瞬間に売却できなくなります。
最後に、判断の置き方です。流動性の確認は「このトークンが安全か」を教えてくれません。分かるのは「今この数量を取引すると、どれだけ不利になるか」と「出口が細いかどうか」だけです。トークン自体の真贋は別の手順で確認する必要があり、そちらで確認が取れないなら、流動性がいくら厚くても触らない判断のほうが妥当です。
注意点
- · 流動性の提供者はいつでも資金を引き上げられます。買った直後にプールが消え、売却できなくなる(ラグプル)事例が実在します
- · ロックされた資金量が大きいことは、監査を受けた証明でも、運営が信頼できる証明でもありません
- · 売却時にのみ手数料を大きく取る設計や、特定アドレス以外の売却を拒否する設計のトークンがあります。買えたことは出口の保証になりません
よくある質問
プライスインパクトとスリッページ許容値は同じものですか?
違います。プライスインパクトは、自分の取引そのものが価格をどれだけ動かすかという、実行前から分かっている不利分です。スリッページ許容値は、送信から実行までの間に他人の取引で価格が動いたときに、どこまで受け入れるかの設定です。前者は数量を減らせば小さくなり、後者は設定で変えるものです。