清算を避けるための管理
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
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結論
清算を確実に避ける方法は存在しません。できるのは、担保率に大きな余裕を持たせ、価格が急変したら即座に返済か担保追加を行うという管理だけです。余裕が薄いポジションは、一晩の急落で終わりうるという前提から離れないでください。
要点
- 「絶対に清算されない方法」は存在しない。余裕の厚さで確率を下げるだけ
- 対応は二つだけ。債務を減らす(返済)か、担保を増やす(追加)
- 急変時に備え、追加用の担保か返済用の資産を、すぐ動かせる場所に残しておく
- 自分が反応できない時間帯があるほど、余裕は厚く取る必要がある
定義
借入ポジションについて、担保の評価額が清算基準を下回らないよう、担保率に余裕を持たせ、価格変動に応じて返済や担保追加を行う一連の管理のこと。
最初に、はっきりさせておくべきことがあります。清算を絶対に避ける方法はありません。どれだけ余裕を持たせても、担保にしている資産が短時間で大幅に下落すれば、清算の基準に到達します。管理でできるのは、その確率を下げることと、到達するまでの時間を稼ぐことだけです。これを前提にしない管理は、必ずどこかで破綻します。
そのうえで、基本は担保率の余裕です。借入可能額の上限近くまで借りたポジションは、わずかな下落で清算されます。余裕を厚く取るほど、耐えられる下落幅は大きくなります。どの程度が適切かに一律の答えはありませんが、判断の材料は「担保にしている資産が過去にどれだけ短期間で下落したか」と「自分が異変に気づいて操作を完了できるまでに何時間かかるか」の二つです。値動きの大きい資産を担保にして、日中は連絡が取れない生活をしているなら、余裕は相応に厚くなければ釣り合いません。
次に、急変時の行動を決めておきます。取れる手は二つしかありません。債務を減らすか、担保を増やすかです。どちらを取るにせよ、そのための資産が手元になければ実行できません。返済用の資産、あるいは追加用の担保を、すぐに送れる場所に残しておいてください。取引所に置いたままで、出金に時間がかかる状態では間に合わないことがあります。ガス代のためのネイティブ通貨も同様です。
監視の仕組みも用意します。価格アラートを危険域の手前に設定し、通知が来たら即座に返済か担保追加を実行する、という手順を先に決めておきます。価格が急落している最中に「どうするか」を考え始めると、判断が遅れ、ネットワークも混雑しています。取引が承認されるまでに時間がかかる局面では、決めてから動くのでは遅いのです。
最後に、構造的なリスクを認識しておいてください。市場の急落時には清算が連鎖し、売り圧力がさらに価格を押し下げます。つまり、清算が最も起きやすい局面は、同時に最も対応しづらい局面でもあります。ネットワークは混雑し、手数料は上がり、取引は通りにくくなります。さらに、参照される価格情報が一時的に乱れれば、実勢では健全なポジションでも清算されえます。管理を尽くしても残るこの部分こそが、借入という取引に含まれるリスクの本体です。
注意点
- · 「絶対に清算されない設定」は存在しません。余裕を厚くしても、短時間の大幅な下落には到達しえます
- · 急落時はネットワークが混雑し、返済や担保追加の取引が間に合わないことがあります。危険域に入ってから動くのでは遅い場合があります
- · 価格情報(オラクル)の一時的な異常により、市場の実勢では健全なポジションが清算された事例があります。利用者側で防ぐ手段はありません
よくある質問
自動で返済してくれるツールを使えば安全ですか?
自動化しても、急落時に取引が通らなければ執行されません。さらに、そのツールに担保やトークンを動かす権限を与えることになるため、ツール自体のコントラクトリスクと承認の悪用リスクが追加されます。手間は減りますが、リスクの総量が減るとは限りません。
担保を追加するのと返済するのは、どちらが良いですか?
状況によります。担保を追加すればポジションを維持できますが、下落が続けば追加分も含めて清算の対象になります。返済すれば債務そのものが減るため、下落が続いた場合の耐性は高くなります。下落の見通しが立たないときは、規模を縮める返済のほうが保守的な選択です。