上級者用語を調べる
フラッシュローンとは
- 執筆
- CRYPTO PORT 編集部
- 公開日
- 更新日
- 読了目安
- 5 分
結論
フラッシュローンは、担保なしで借りた資金を同じ取引の中で返済しきることを条件とする借入です。返済できなければ取引全体が無かったことになるため、貸し手は取りっぱぐれません。裁定取引や借換えに使われる一方、価格操作を伴う攻撃の道具にもなってきました。
要点
- 1つの取引の中で借りて返すことが条件
- 返済できなければ取引全体が巻き戻る
- 担保が不要なのは貸し倒れが起きえないため
- 価格操作型の攻撃にも繰り返し使われてきた
定義
同一トランザクション内での返済を成立条件とする無担保借入。返済が行われないとトランザクションが失敗し、借入自体も記録されない。
ブロックチェーンのトランザクションは、途中で条件を満たさなくなると全体が巻き戻る性質を持ちます。フラッシュローンはこの性質を利用しています。プロトコルは資金を渡し、処理の最後に「返済されたか」を検証します。返済されていなければ全体が失敗し、資金は一度も動かなかったことになります。だから担保がいりません。
使われ方の代表は裁定取引です。同じトークンがDEX間で違う価格になっているとき、手元資金がなくてもフラッシュローンで借りて安い方で買い、高い方で売り、返済して差額を残すことができます。ほかにも、レンディングの担保を入れ替える借換えや、清算の実行資金として使われます。いずれも自己資金の大きさに依存せず実行できる点が特徴です。
問題は、攻撃にも同じ性質が使えることです。巨額の資金を一瞬だけ動かせるので、取引量の薄いプールの価格を大きく歪め、その歪んだ価格を参照している別のプロトコルから資産を引き出す、という攻撃が繰り返されてきました。フラッシュローン自体は脆弱性ではなく、価格の取り方が甘いプロトコルの弱点を安く突けるようにする道具だと理解するのが正確です。
注意点
- · フラッシュローンを組み込んだ取引は失敗してもガス代が戻らず、複雑な処理ほど費用が大きい
- · 価格の参照元が単一のDEXになっているプロトコルは、フラッシュローンによる操作の標的になりやすい
- · 利用者向けに提供されている自動化ツールでも、内部の処理を理解せずに使うと想定外の清算や損失につながる