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プロトコルの被害に遭ったときの初動

執筆
CRYPTO PORT 編集部
公開日
更新日
読了目安
8 分

結論

使っているプロトコルで攻撃が起きたときの初動は、承認の取り消し、残っている資産の退避、そして公式情報での事実確認の3つです。順序と速さが結果を分けます。なお、失った資産が補償される保証はなく、「取り戻す」と持ちかけてくる相手は二次被害の入口である場合があります。

要点

  • 最優先は承認の取り消し。残高がゼロでも、承認が生きていれば被害は続きうる
  • 同じウォレットに残る他の資産も、別のアドレスへ退避を検討する
  • 情報は公式の発表で確認する。SNSの断片的な情報で操作しない
  • 「資産を取り戻す」と持ちかける相手は、二次詐欺である可能性が高い

定義

利用しているDeFiプロトコルが攻撃や不具合によって資産の流出を起こした際に、被害の拡大を止めるために利用者側が取る一連の対応のこと。

最初にすべきは、承認の取り消しです。被害の多くは、コントラクトに与えた権限を通じて起こります。すでに資産が抜かれていても、あるいは残高がゼロでも、その承認が生きている限り、あとから入金した資産まで同じ経路で持ち出されうる状態が続きます。承認の一覧を表示するツールで、当該プロトコルに関係する権限をすべて取り消してください。取り消しはガス代を要する取引なので、ネイティブ通貨を確保しておきます。

次に、残っている資産の退避です。同じウォレットに他のトークンやNFTがある場合、被害が承認経由に限られているとは限りません。鍵そのものが漏れた可能性が排除できない状況では、別のアドレス(できればハードウェアウォレット)へ移すことを検討してください。判断に迷う場合でも、金額の大きいものから順に動かすのが現実的です。なお、退避の送金にもガス代が必要なので、それを残したまま全額を送らないでください。

三つ目が、事実の確認です。何が起きたのかを、プロトコルの公式発表、公式のドキュメント、そしてブロックエクスプローラーで自分のアドレスの履歴を見て確認します。この段階で、SNSに流れてくる断片的な情報に従って操作しないでください。事件の直後は、公式を装ったアカウントや「緊急の移行手続き」を名乗る偽サイトが必ず現れ、混乱に乗じて残りの資産を狙います。リンクは公式サイトから辿り、それ以外は開かないでください。

補償については、期待を前提に動かないでください。プロトコルによっては、保有資金から一部を補填する方針を出すことがありますが、それは義務ではなく、対象範囲も条件も運営が決めます。何も行われないまま終わることも珍しくありません。「必ず戻ってくる」という前提で放置するより、まず被害の拡大を止め、記録を残すほうが確実です。取引の識別子、日時、数量、関係するアドレスを控えておいてください。

最後に、二次被害への警戒です。被害を公表したアドレスやアカウントには、「資産を回収できる」「ホワイトハッカーとして取り戻す」と持ちかける連絡が必ず来ます。これらは、手数料の前払いを求める、あるいは新たな承認や秘密鍵の入力を求める詐欺であることがほとんどです。本物の回収作業が、被害者に個別のDMで連絡してくることはまずありません。相談するなら、公式の窓口と、必要に応じて国内の相談機関や警察を通してください。

注意点

  • · 残高がゼロでも、承認が残っていれば、その後に入金した資産まで持ち出されます。取り消しを最優先してください
  • · 「資産を取り戻す」「補償手続きを代行する」と個別に連絡してくる相手は、ほぼ確実に二次詐欺です。前払いの手数料や新たな承認、秘密鍵の入力を求めてきます
  • · 補償が行われる保証はありません。運営の裁量であり、対象外とされることも、何も行われずに終わることもあります

よくある質問

  • 被害に遭った場合、どこに相談すればよいですか?

    まずプロトコルの公式窓口に、記録した情報とともに報告してください。そのうえで、日本国内では消費生活センターや警察のサイバー犯罪相談窓口があります。ただし、海外の匿名のプロトコルが相手の場合、資産の回収は極めて困難であるのが実情です。回収を約束する民間サービスには、詐欺が多数含まれます。

  • すぐに承認を取り消したいのに、ガス代がありません。どうすればよいですか?

    取り消しには取引の送信が必要なので、ネイティブ通貨を送金して補充するしかありません。ただし、そのウォレットの鍵自体が漏れている可能性がある場合、送った資金も抜かれる恐れがあります。金額が大きい承認を優先して取り消す、あるいは残る資産の退避を先に判断するなど、状況に応じた優先順位が必要です。

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